"仙仁温泉 花仙庵 岩の湯"

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仙仁温泉 花仙庵 岩の湯
(電話) 
026−245−2453
長野県須坂市仁礼3159
宿泊料金 24,000円〜


アクセス
(車)上信越自動車道須坂長野東ICから国道406号を利用で約20分
(列車・バス)東京から長野新幹線「あさま」利用で約1時間20分の長野駅下車。
そこから長野電鉄に乗り換え約20分の須坂駅下車、
仙仁行きバスを利用し約30分、仙仁温泉下車すぐ

一年近く先まで予約が取れない宿として噂の「岩の湯」。宿は長野県中部、小布施から山間に入った閑静な場所にあります。周囲は山々と渓流しかなく他の人工物は一切ありません。豊かな自然の中に宿は建っており、外からは目立たずにひっそりと佇んでいます。建物自体は国道から渓流を挟んだ先にあり、駐車場からは橋を渡って宿へ。建物の玄関はこじんまりとしたものながら、上品な造りです。これは館内についても言えることですが、照明やインテリアなどはもちろん、草木などの使い方や置き方が非常に上手く、派手過ぎず、しかしながらも宿全体にモダンかつ落ち着いた空間を演出している点は非常に好感が持てました。

宿全体の雰囲気、空間が統一されており、また徹底されていると言えば良いのでしょうか。建物はフロントやラウンジ、土産物屋、そして客室などがある本館、そして食事処の深仙庵、仙寿亭や仙山亭などの客室棟などがあり、渓流沿いの斜面に沿って横長く建ちます。フロント前のラウンジはもちろんのこと、館内にはとにかく気軽に寛げるテラスやサロン、読書室などのパブリックスペースが充実。どっしりとしたソファーが置かれたテラス、重厚な洋室の佇まいの中で裏庭を望める事ができる読書室やサロン、晴れた日には開放感が素晴らしく気持ちの良いサンテラス、そして館内の廊下などにさり気なく置かれたチェアーやソファなど、どれもわざとらしさが無く周囲や建物と上手く融合された造り。きっと自分のお気に入りの場所を見つけることもできるでしょう。また深夜や昼間でも利用できる喫茶室も他に劣らず魅力的。洋風レトロの造りは館内に共通するものがありますが、洒落た建物の中にはテーブル席やカウンター席はもちろん、個室もあり、渓流や周囲の山々を望みながらの一時は至福そのもの。アルコール類から、紅茶やコーヒー、そして自家製のケーキなどが用意され、気軽に利用できます。なお、夕食や朝食はこちらの建物の個室でいただく事もでき、レトロな洋館での食事もまた魅力と言えるでしょう。

そして客室についてですが、客室は先述の通りに本館、仙寿亭、仙山亭の棟があり、人数や宿泊料金によって利用する客室は異なります。仙山亭は離れ風の客室であり、全ての客室が二間以上と広々とした造り。こちらには部屋風呂も備わり、家族連れやグループでの利用も可能。一方の本館や仙寿亭は8畳から12畳程の一間部屋が多く、お風呂などは備わりませんが、和室の中にも洋風ソファーなどが置かれるなど和洋の雰囲気が融合されており、館内と共に一体感ある雰囲気です。客室は総じて設備面では充実。金庫や空の冷蔵庫、使いやすい洗面台からコーヒー、紅茶まで用意されたミニキッチン、洗浄機つきのお手洗いなどなど、ほぼ完璧と言えるでしょう。さらには風邪薬や絆創膏などの入った薬箱、裁縫道具などの入った小箱などがさり気なく置かれるなど、細かい配慮もされています。

総じて客室については宿泊料金から見れば狭いとすら言えるかもしれませんが、それ以上にきちんと清掃され細かいところまで目をかけている点は素晴らしく、設備面も含めてとにかく居心地の良い空間です。また接客についても触れますが、とにかくホスピタリティが徹底されています。従業員の対応は予約時から非常に気持ちの良いもので、例えば予約が取れない場合でも不快ではなく「また電話をかけてみよう」と思わせるような応対。宿への到着時は玄関前で必ず迎えてくれて、荷物を運んでくれてフロント、ラウンジへ案内。館内の案内、客室の説明なども丁寧でありながらも親しみのあるもので、とても好感が持てました。とにかく滞在中は接客面で不満に感じるような部分は無く、宿泊客としてとても気持ち良い時を過ごすことができたと言えます。従業員の教育、と言うよりはお客をもてなし、何を望んでいるのかを理解する姿勢が徹底されていると感じました。廊下ですれ違っても立ち止まって、清掃などの時は手を止めて、きちんと挨拶をする。基本と言えることですが、それが徹底されている点は評価できます。従業員の数も多く、全てにおいて完璧とも言える接客ですが、決して行き過ぎたことは無く、自分の時間をゆっくりと過ごせて従業員はあくまでそのサポート、その対応ぶりは素晴らしいの一言でした。

次にお風呂についてですが、お風呂は男女別の内湯、そしてこの宿の名物でもある洞窟風呂、更には二つの貸切風呂があります。まずは内湯ですが、正直なところ宿の規模から見ればかなり小さめ。眺望面でもほとんど望めず、小さな庭園があるだけ。日が入りにくい構造のため、かなり薄暗い印象を受けてしまいます。但し、こちらは湯を加熱しており、またシャワーなども完備しているので、洞窟風呂へ行く前に体を温める時、逆にお風呂から出る時の上がり湯、そしてカランやシャワーが備わっているので洗い場として利用する事となります。実際のところは洞窟風呂をメインとして、ただ利用するだけのお風呂、そのような印象を受ける内湯でした。一方、内湯から直接行き来のできる洞窟風呂ですが、こちらは原則混浴での利用となります。とは言え、洞窟風呂では脱衣所に用意されたバスタオルを巻いての入浴となるため、女性でもそれほど気にならないとは思います。洞窟風呂の入り口には内湯同様に男女別に加熱された浴槽があり、その先に源泉が滝のように落ちる一番大きなスペースから、二本の洞窟となって左右に延びています。片方はすぐに行き止まりですが、もう片方は奥へ奥へと続いており、ちょっとした探検気分。岩盤をそのまま湯が流れているところを登り、更にその先には大量の湯が流れ込むところまで30メートル近くもあり、形ばかりの洞窟風呂とはスケールが違います。野趣溢れる雰囲気、そして子供心をくすぐり探検気分を楽しめる造りなど多々魅力はありますが、更に嬉しくなるのは温めの源泉が大量に溢れており、洞窟におけるサウナのような効果でありながら、のんびりと長湯を楽しめる点。良質の源泉の湯は浸かっている時は温めでも、風呂から上がるとポカポカする不思議な湯。雰囲気や造りだけでなく、湯そのものでも魅力溢れるお風呂と言えますね。ちなみに20時から21時半までは女性専用となりますので、どうしても混浴は駄目という人も安心して入浴できます。

そして貸切風呂ですが、二つが館内に点在するようにあり、一つはこじんまりとした部屋に小さな浴槽があるだけと平凡なものですが、もう片方、サンテラスの脇にある貸切風呂、こちらはバリ島などアジアンテイストを前面に出した造りで他のお風呂とはまた異なる雰囲気。こちらにのみ内湯の他に露天風呂も用意され、晴れた日には青空や星空を望むことができ、まさに極楽です。このお風呂は宿で唯一の露天風呂でもあり、更に一つしかないと言う事もありあってなかなか利用できないところは多少問題があるかもしれませんが、是非とも利用したい貸切風呂ですね。お風呂は全体としては充分に満足できるレベルでしょう。宿の目玉でもある洞窟風呂に、異なった雰囲気の貸切風呂、そして実用性に徹した男女別の内湯など、それぞれに特長があるお風呂であり、温泉を満喫する事ができる筈。またお風呂の清掃面やそれぞれの脱衣所に置かれたタオル類、さらには洗面所のアメニティ類など、使いやすさの面からも不満なく、非常に高く評価できますね。温泉を目的にして訪れても充分に満足できる湯とお風呂が揃っている、そう感じさせるものでした。

続いては食事についてですが、食事は全てグループごとの個室でいただきます。食事場所は深仙庵、もしくは喫茶室のある洋風の建物の奥にある個室となります。深仙庵は畳敷きの純和風、月見台のある個室などもあり落ち着いた雰囲気が漂います。一方の洋館の個室は喫茶室などと同様で洋風レトロな造り。ウッドテーブルにチェアで食事をいただくことができます。原則は宿側が食事場所を決めますが、事前に指定することも可能だそうです。(人数や子供連れなどの構成次第では不可の場合も)まずは夕食についてですが、夕食は山里の懐石料理。一品ずつできたてを運んでくれ、熱いものは熱いうち、冷たいものは冷たいうちが守られており、どの料理も一番美味しい状態でいただけます。内容としては山の幸をふんだんに使い、季節感のあるもの。山菜や茸類、川魚など素材を上手く活かした料理の数々が並び、洗練されつつも鮎などの塩焼きを笹の上に盛り付けたり、信州牛を石焼きステーキにしたりと豪快な料理もあり、見た目でも楽しませてくれます。味はもちろんのこと、一品の量も多く、味・量ともに大満足の内容。完全な一品出しなので夕食の時間は軽く二時間以上はかかりますが、それすらも気にならない料理の数々は秀逸ですね。最後にはデザートまで用意され、更には部屋に簡単な夜食まで用意されるなどと満足を通り越して、食べ切れないほどの内容とも言えるかもしれません。一方の朝食は蕎麦粥や卵焼き、漬物類など体に優しいものが中心。ですが朝食だからと手を抜くようなことも無く、焼き魚や卵料理、蕎麦粥などが温かかったのは嬉しいですね。こちらも山の幸をふんだんに使った料理で、大満足の食事でした。事前にお願いをしておけば朝食を和食から洋食にしてくれるなどの配慮もあり、全てにおいて満足のできるレベルの食事と言えるでしょう。

最後に宿泊料金を踏まえての総評ですが、最低の宿泊料金でも一人二万円以上と決して安くはありません。しかしながらホスピタリティが徹底された接客に、充実した設備と居心地の良い空間、そして他には無い洞窟風呂や貸切風呂、更には山の幸をふんだんに使った季節感ある料理など、その料金すらも安く思える魅力がこの宿にはあると思えます。全てにおいて高いレベルであり、それを維持し続けている事は高く評価するべきでしょう。一度訪ねたら必ずリピーターになる、その意味を泊まって知ることができました。至福の時間を過ごせる温泉宿、予約さえ取れれば絶対のおすすめです。




街道側の玄関
周囲には深い山々が

宿への橋
建物は渓流を渡った先に

建物玄関
こじんまりとした造り

フロント
従業員が常駐しています

ラウンジ
到着時はまずこちらで

館内
チェアやソファなどが随所に

館内サロン
こちらは坪庭を望めます

書斎
読書を楽しめます

外を望めるテラス
ソファが並んで置かれています

館内廊下
外光が入り明るい雰囲気

渓流を望むテラス
緑を眺めながら過ごせます

こちらもテラス
涼しい風が流れ込みます

サンテラス
晴れた昼や夜は美しい空が

こちらもサンテラス
日が入る明るい書斎です

渓流沿いに置かれたチェア
お茶などを飲むこともできます

喫茶室入り口
洒落た雰囲気です

渓流沿いのカウンター
窓の外は豊かな自然

喫茶室内
ウッディな造りです

こちらも喫茶室
個室もありダイニングにもなります

客室
広くはありませんが充実した設備

こちらも客室
よく手入れされた綺麗な室内

客室のミニキッチン
自由にコーヒーなどを飲めます

男女別の内湯
こちらには洗い場も備わります

洞窟風呂入り口の浴槽
加熱された湯が注がれています

洞窟風呂
湯が滝になって落ちています

こちらも洞窟風呂
かなり温めの湯です

洞窟風呂内部
奥深く続きます

こちらも洞窟風呂内部
裸電球が不思議な空間を・・・

家族風呂
内湯と露天風呂が備わります

こちらも家族風呂
空いていれば自由に利用可能

夕食
季節感を演出した料理の数々

鮎の塩焼き
炭に笹を敷いて供されます

山里のお造り
鯉など川魚が並びます

信州牛の石焼
熱した石の上で焼きます

こちらは杉の香焼き
味噌が香ります

箸休めと蒸し物
手の込んだ料理の数々

ご飯にお椀など
酢の物の盛り合わせも

デザート
最後まで手の抜かない料理です

夜食
本日は蕎麦饅頭でした

朝食
蕎麦粥なども並び充実